short note: 教育の情報化推進フォーラム
2023年3月3日
インプットの時間です。
2022年度 教育の情報化推進フォーラム「ICT利活用で広げる教育のみらい」
(会場:国立オリンピック記念青少年総合センター カルチャー棟)
入場セッション↓
1.基調講演「GIGAスクール構想の実現について」武藤久慶氏(文科省初等中等教育局 学校デジタル化PTリーダー)
・元々濃い内容が武藤氏曰く1.5倍速だそうで早い!
・全国に端末を整備したが、活用できている所と使えていない所で格差が生じているのでなんとかしないといけない。
・2050年は1億人まで減少、生産年齢人口は5割になる。
・ソサエティ5.0に生きる子供達にとって端末は鉛筆やノートと同じもの
・あらゆる場所でICT活用が日常
・社会を行きぬく力を育み子供達の可能性を広げる場所である学校が、時代に取り残され世界からも遅れたままではいられない
・従来は3ステージ(教育・勤労・引退)、今後はマルチステージ(仕事から教育への再移行)
・日本企業はメンバーシップ型(終身雇用的な)、欧米企業はジョブ型(流動)
・日本の子供はデジタルを学びに使わず遊びに使う傾向、学びの道具にして賢い付き合い方を教える必要
・フィルターバブル現象:自分の好む情報だけに囲まれ、多様な意見から隔離されやすくなる現象
・エコーチェンバー現象:同じような意見が、閉ざされた空間の中で反響して大きくなっていく現象
・日本人大学生の授業以外の学習時間は米国と比較すると非常に短く、1割は授業以外では全く学習していない。
・「スキルアップのために自己負担で実施しようと思っていることがある」33ヶ国で日本は最下位→「世界一ビジネスマンが学ばない国ニッポン」
・民主主義にとって重要な「当事者意識」が足りない。課題を見つけて議論させ、考えさせる学習は増やすべき
・必要な能力、2015年:注意深さ・ミスがないこと・責任感・まじめさ→2050年:問題発見力・的確な予測・革新性・情報収集・客観視・PCスキル
・紙ベースの一斉授業は子供のウェルビーイングから遠ざかるのでは?(学力偏差の両端が置き去りになっている)
・不登校傾向の中学生〜22歳に聞いた「学びたいと思える場所」→「自分の好きなこと、追求したいこと、知りたいことを突き詰めることができる」「自分の学習ペースにあった手助けができる」「常に新しいことが学べる」「時間割に縛られず自分でカリキュラムを組むことができる」
・教室の中の多様性(小学校35人学級の場合)
特異な才能のある子供:2.3%
発達障害の可能性のある子供:10.4%
不登校:1.3%
不登校傾向:11.8%
家にある本の冊数が少なく学力の低い傾向が見られる子供:29.8%
日本語を家であまり話さない子供:2.9%
→これまで通りで「誰一人取り残さない」は可能なのか?
・学校アップデートは働き方改革と両立マスト。
・GIGA端末の活用で質・量共に格段に充実可能
→(従来の一斉授業に対して)個別最適な学び、協働的な学び
・活用事例「臨時休校が終わっても敢えてオンライン朝の会」「保健室登校の子供にも授業を中継」
・デジタル教科書→学習上の困難の大幅低減
・グループウェアでテストを自動配布・回収・採点。機械ができることは機械にお任せ。
・GIGA環境の公務活用は道半ば
職員会議等のペーパレス化:約70%
職員会議等のハイブリッド実施:約25%
連絡掲示板やグループウェアでの伝達事項共有:約75%
資料や教材等の教師間での共有:約83%
授業研究会や校内研修でのクラウド利用:約50%
児童生徒向けアンケートのデジタル化:80%弱
教師向けアンケートのデジタル化:80%弱
・子供一人一人は力も進度も違うことを前提とした個別化→先生は1人しかいないから端末でアシストしてもらう
・通常授業でも様々な学習形態(一斉授業・協働・個別)が(同一教室内で)同時に進行!(複線化)
・NHK for School は動画クリップ7千本、使えるものは何でも使って子供に学びを保障する
・2027年頃、次期学習指導要領改訂見込み、GIGA端末更新は2年早く2025年頃
2.特別講演「開く情報と開く対話:初等中等教育における研究的教育」河野哲也氏(立教大学文学部教育学科教授)
・子供の哲学対話について
→問いに巡り合うこと、コミュニケーション、オンライン対話のメリット・デメリット等
*「対話」はSNSではできません
3.パネルディスカッション「GIGAスクール端末で学ぶ情報モラル」
・パネルディスカッションというか、3氏による発表・解説のような体裁でした。
・「国別マスコミ報道の鵜呑度」(日本が鵜呑度最高)や「既読スルーを体験」、切り取り報道の危険性、従来の特別活動や集会は「情報モラル教育を行った証拠作りに過ぎない」等、楽しめる内容でした。
・ネット社会の歩き方
http://www2.japet.or.jp/net-walk/