short note: サイバーセキュリティ講演
2025年7月28日

みなさんも日常でネットを便利に活用されていることと思いますが、長く使っている方ほどその便利さと共に色々なリスクがあることも理解されていることでしょう。昔とは違って今の子達はネット起因の様々なトラブルにまきこまれる危険を常に抱えています。1990年代中盤のネットの黎明期からその発展の様子をずっと見てきた身からすると、インターネットの普及による情報化社会以前とそれ以降では、情報伝達のスピードとその物量・内容をはじめとして、人々の働き方、楽しみ方、購買行動、様々な生活様式を含めて社会構造がすっかり変わってしまったと思えるほどですが、一方でネットにおけるセキュリティについてはその黎明期から今現在に至るまで危惧され続けてきたことで、この間に大小含め様々なトピックがありました。その中で例えば、かつてはネット上に個人情報を伴うデータを置くことはセキュリティの観点で忌避されてきたものですが、技術の向上に伴いクラウドの有効性・便利さが声高に叫ばれ、現在ではセキュリティとの折り合いをつけつつもその便利さを最大限に享受していく大きな流れが出来上がるなど、運用方針も含めてドラスティックに変化し続けています。今の子達はネットの便利さ、また最新の技術やトレンドをとても手軽に、意識せずとも身近に受け取る立場になっていますが、その便利さの裏には悪用やセキュリティの穴の問題が常に控えているのは30年以上変わらない事実であり、これからの時代を生きていく生徒達にも、このことを常に頭の片隅に置いてほしいと思い、今回は本校顧問のお手配をいただき、地元警察署の多大なご協力を賜ってサイバーセキュリティ講演を受講してまいりました。

大きなトピックとしては3つでした。
1 不正アクセス
例示:友達とスマホでゲームをしており、友達のレベルが高くて羨ましく、その友達のアカウントに無断でログインしてプレイしてしまった
→子どもの知識不足、また安易に考えがちなところが大きいですが、立派な不正アクセス禁止法違反です。
2 個人情報の流出
例示:女子高生がネットで知り合った大学生と会ったら、個人情報を取られて顔写真も撮られて無断でSNSにアップされた
→個人情報の流出は誰しもが注意しましょう。ネットで人と知り合うことが多い時代ですが、相手の素性が見えてこないことも多いです。安易に会わない、リスクと天秤に掛けて慎重に判断することが求められます。特に未成年の場合は保護者も注意してあげる必要があります。ネットは一度流出した情報を遮断しづらい為、起こる事態によっては子供の将来に関わってきます。
3 ネット上の安易な行動がもたらす影響
例示:SNSの注目を集めたくて行動がエスカレートし、バイト先のコンビニの什器に入って写真を撮ってSNSに投稿したら炎上した
→これまでにたくさん報道されてきたあれです。やった本人はたいした悪意もないことが殆どでしょうが、ネットで炎上するどころかやられた側のお店は最終的に閉店してしまうことも多い、関係者に及ぼす被害が極めて深刻になり得るトラブルです。
上記について生徒に意見を求めるなどしつつ、他にも最近のネット絡みの犯罪傾向、闇バイトや違法薬物、さらには手軽に買える市販薬の正しい服用についても貴重なお話をいただきました。講演が一通り終わりスクールに戻った後で生徒各自感想文を書きましたが、できあがった感想文を確認すると皆しっかり理解していたようで良かったです。
今回の講演に同行して、子供たちの成長過程でまだまだ足りない知識を、まわりの大人がしっかり教えていくことの必要性を改めて感じました。大人にしてもはじめから知っていたことではなく、時間を掛けて色んな情報を見聞きしがら、時には自分で痛い目にもあって身に付けてきた、生きていくうえで大事なことのひとつだと思います。セカスクでは今後、ネット利用に関するリテラシーという観点から定期的にプログラムやワークショップを実施していきたいと考えています。
今回のプログラム実施にあたりご協力をいただきました関係者の皆様、誠に有難うございました。